音量のコントロールをする前にすることがたくさんあります!
音の変化を把握して打ち込むのが大前提!
コンプ好きな人多いですよね。 音量が上がる魔法のツールとしてほとんどのトラックに挿さってたりしませんか?EQの話と一緒で絶対にかけなきゃいけない類のものではないです。
単刀直入にいうと、そのコンプをバイパスをした時に明らかに音量が下がる人はハッキリ言って使い方が間違ってます。ここは後ほどしっかり書きますが、心当たりある人は今回の内容をイヤイヤながらお読みいただき、アレンジまで戻って下さいませ。
というのも、宅録の場合のオケはほとんどが打ち込みな事が多いだろうし、本業でもCMや劇版系はギリのギリまで変更や修正があるので音源&Midiの場合が結構あります。
ということは、ミックスに入る前に音量がバラついていたら打ち込みを直せばいいし、音量が大きければ下げればいい(逆もしかり)ワケです。
マシンスペックも驚くほどあがり、ソフトもプラグインもびっくりするくらい安くなったことで、プロもアマも同じ音源を買って使える時代になんでここまで音の差が出るのかなって思うことが多いんですが、結局は打ち込みの技量なんだよね。特に顕著なのはドラムとストリングスです。
例えば、ドラムの打ち込みのベロシティの値ね。100以上って結構本気で叩いた時くらいにしか使わないから、60~100で打ち込んで、さらに欲しい時にそれより上を使う感じ。ゴーストはさらに下。
で、まず音源の音の区切れ目(ベロシティによるサンプルの切り替わるタイミング)を探すのが面倒くさいけどかなり有効です。
どういうことかというと、ベロシティが1~127だからと言って127段階音が変わるわけじゃなくて、例えば、その音源のベロシティの切り替えが4段階しかなかったら、〜60、60〜、80〜,100〜(数字は適当)の位置でしかメーカーが用意した別のサンプルにならないんですよね。なので、その間で細かい数値でベロシティの位置を変えても同じ音の気持ち音量がなんとなく違うくらいで、やってるほど結果に出てないです。
ワンオクやPeripheryみたいなドラムの音が好きだったら、もうベロシティの話じゃなくてトリガーの話かにとなってくるので別のタイミングで書きますね〜。今は出音じゃなくてデータの作り方に絞ります。
最近の生楽器系のソフトシンセの容量が膨大なのは、この段階(ベロシティーレイヤー)が8とか12とか20以上なんて製品もあって、もっと細いところまで来てるのが理由なんだけど、その境目をうまく使えてないってのが打ち込み臭さにもつながってきます。
後、そういう人ほど音源のせいにして違う音源を探したり、MIXでなんとかなると思っちゃってる様に感じます。これはプロアマ問わず結構多く、音聞けばどれだけちゃんと打ち込んでるかわかっちゃたりします。
こんな面倒くさいこと本当にしてるのって?思うと思うんですけど、仲の良いトップクラスの劇版作家さん達は音源を買ったらまず最初にこの境目のチェックをやってる人が結構います。
ハードウェア音源やサンプリングCDしかなかった頃は、多くても4段階とかだったからこそ、必ずチェックして時の名残だと思うだけど、その世代の人の打ち込みはのレベルは格段に違う。音のバリエーションが少ない分いろんなmidi情報を書き込むことで生っぽくしてた訳で、ベタ打ちでもそれなりに聴こえるレベルのソフトシンセが増えてきててもやっぱりそこまでいじってるんですよね。
もちろん、コンプやトランジェント系でアタックやリリースをコントロールすれば(コントロールの仕方は次回!)ノリは変わります。でもここは全てオーディオトラックで渡され、追加アレンジの出来ないエンジニアのタイミングの話であって、クリエイターは元データを磨こう!
正直、俺自身も今の環境や技量でやり直したらもっといけるのにって作品はいろいろありますが、それも歴史のひとつかなと思ってます。
試しにこんな感じで調整してみてください!
ちょっと脅かしすぎたから、話を柔らかくしていきましょう(笑)
打ち込みの練習はもっと研究すれば自力で出来ます。スネアは少し後ろ目に~~的な位置の話よりさっき書いたベロシティに拘りましょう。ここではwatsusiさんの著書「MPCで学ぶリズム打ち込み入門」がとても参考になりました。今リンク貼るためにAmazon見たらびっくりするくらいプレミアついてるんですね、、、何冊かは俺のおかげって勝手に思っておこう(笑)
タイトルにMPCって入ってるので誤解されがちですが、完全に打ち込みドラムの教科書です。むしろバイブルですね(笑)どこの位置のどの音のベロシティが高いとこうやって聞こえるっていうのが体験しながら学習できます。(ステマじゃないよ〜。ちょっと前の本だし。)
こんなに変わるのってくらい変化するので、丸覚えではなく体感して、意識するようになればいいかなと思います。僕自身、細かい内容は全く覚えてないですが、意識をするようになったきっかけなので、ご興味ある方はチェックしてみて下さい。
音の位置に関しては諸々あると思いますが、裏拍を1小節の1番最後、2拍4拍、8分裏、16分裏と順に細かく後ろに下げればそのうち気持ちが良いところが見つかります。コツは早く聞かせたいノートの前のノートを少し遅らせる感じとかね。
まずベロシティ、次に裏の位置感をしっかり覚えると、雑なドラム音源でもかなり本気で聞こえるようになります。
個人的な見解だと、表拍はあんまり触らないほうが良いです。表もどっかから見たら裏なんだけど、乗りじゃくてヨレに聞こえやすいから、やっぱり音の位置の前にベロシティ、つまりアクセントの位置とゴーストとかで変化を身につけた方がいいです。グリットぴったしでもかなり表情が変わります。
市販のMIDIファイルやドラム音源に付属しているMIDIファイルの中で好きなものを実際にトラックに貼って研究してみるとどんどん腕は上がります。 すぐにでも応用しやすいのは、気になるポイントがグリットからどうズレてるのかを把握するがポイントです。
自分でドラムが叩けない人ほど、フレーズを聞いてをどう叩いてるかわからないですよね。特にタムとかシンバルとか。音と楽器、体の動きがピンとこないと思うので、こう言ったプロが作ったデータが参考になります。
Addictive drumは一聴してわかるくらいのくせ強い音だけど、拡張の種類や付属するパターンの量は重宝するし、StevenSlateDrumsやBFD3、SD3とかは打ち込み技量とミックスによってはかなりのところまで行くと思います。
Animal as a leadersの1stのドラムが打ち込みって聞いた時はびっくりしたし、逆にThe Rootsのクエストラブのドラムが生だって知ったときも逆にびっくりしたもんです。
個人的には、ここ数年はGGD(Get Good Drums)ばっか使ってます。日本に代理店が未だに無いのは残念ですが、これを本気で打ち込めばドラムの差し替え要らないレベルの時もあるくらい気に入ってます。
まあでも、ドラム音源って定期的に飽きますよね(苦笑)
まとめ
コンプの話をするつもりだったのですが、コンプかける前に同じデータの段階でかなりのところまで作り込めば余計なコンプは要らないってのを長々と書いてしまいました。すいません。
でも、これかなり大事なんです。このブログには至る所で「元音が良いに越したことはない」と言った感じのフレーズが出てきます。本当にこれに尽きるんですよね。
この元音ってのが録音の方に意識が偏りがちですが、ソフトシンセの打ち込みも同様に重要です。
ソフトの音質に関しては各メーカーがこれでも勝手くらい頑張って作ってるので、それをちゃんと引き出してあげる技量が歌唱力や演奏能力と同じくらい拘ってますか?ってのを伝えたかった感じです。
なんでもそうだけど、実際の楽器の練習をすると打ち込みの技量は上がります。うまくなんなくてもいいから、現実を把握するってのが正解への近道だと信じてるので、家中楽器だらけです(笑)
MPC育ちとしては、最近はこれが気になってます。
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