そもそもコンプの方式って何?
実はコンプにはいろいろな方式というか回路構成が違ってまして、プラグインでも同じく、同じ値にしても音というか掛かり方が違っちゃいますよね?
お気に入りのプラグインやアウトボードが1台で全てのニーズに合わないことに気づいてる人はもう過去に戻れない耳をお持ちなので、覚悟して読み進めてください(笑)
歴史や使用目的、メーカーの好み等が多岐に渡り、機種によって得意不得意がしっかりあります。コンプの方式と使い方を掘った記事は世の中にいくらでも出ているので、さらっとだけ触れます。
最近は合わせ技的な機材も増えてきてるのですが、基本は変わらないのでざっくり理解してるだけでかなりの時短になると思います。
ということで行ってみましょう!
①OPT(オプト)・コンプ
信号を検知するセンサーが光学式でアタックもリリースもかなり遅い&真空管内蔵です。
良い意味でかなり遅いアタックが音の頭を潰さない(せない?)ため、コンプが掛かった感薄く、そこを通り過ぎてからの音の膨らみや音量感が安定するイメージです。リリースがゆっくりなこともあり、音の余韻が音楽的に伸びる&レシオも1:3(の製品が多い)なので、滑らかに音が繋がっていきます。
向いてる用途:モノラル楽器を「滑らか」かつ「太くする」のが得意なので、メロディーやベースラインの様な線に向いてると思います。
向いてない用途:いくら早い設定にしても打楽器の様な早い音は捕まえられないので、オプトコンプ特有の質感を求めて、後述のFET系などと合わせることもあります。
★Universall Audio LA-2A、Tube-tech CL-1B、AVALON DESIGN AD2022、IGS ONE LAとか。
真空管の倍音も入りながら滑らかかつ中域が分厚くなったりするので、やはりセンターに配置しそうな音に使ってることが多いです。
プラグインでは大体 LA-2Aを元にしてるのがほとんどだと思いますが、Tube-tech CL-1B同様に実機が手に入ることはそうそうないご時世なのが残念です。
②VCAコンプ
電圧でコントロールされているので反応が無茶苦茶はやく、パキっとかかります。もう一つの特徴として、他の方式に比べてあまり音色が加味されとるいう要素が少ないです。
とにかく反応が早いので打楽器の様な一瞬でピークが来る音を捕まえたりすることが得意で、SNARとかKICKなどなど、お持ちのコンプを掛けてもどうしてもメーターを貫いてくる場合は、VCA系のコンプの出番です。
それを利用して、Releaseを早めにすることで音のエッジを立てるのにも使えます。点を掴む感じかな。コンプ感があまり出て欲しくないトラックには慣れないうちは使わない方が無難。良くも悪くもコンプって感じがでます。
機種によってはそこを和らげるKnee(ニー)ってつまみがあるモデルもあり、コンプの掛かり方を優しくもできるので、うまく使いこなせるとコンプの本質であるレベルをコントロールするという意味では守備範囲が広いです。
向いてる用途:アタックの強い打突音、音をあまり変えずにしっかりと音量を抑えこみたいトラックなどなど。音を作るコンプというよりも、他の音との足並みを揃えるためのコンプの要素が強く、ミキサーのコンプがVCAタイプが多いのは、そういった理由からかと思います。(まあ、部品構成が小さいってのが一番だとは思いますが。)
向いてない用途:前述のKneeがあっても、やはりコンプ感はでるので、ダイナミクスの少ない音にあえて選ぶ必要はないかなと。
★DBX系、SSL系、API系、Vertigoとか
コンソール系のプラグインとかで見かけるFastAtackといったボタンがあるくらい、とにかくアタックが早くできるので、そのトラック自体の音量の上限を作る時とか使います。
また、リズムトラックので音圧を整えたり、音が詰まる感じをうまく逃げれる様になると面(点と面の面ね)系の音とかもコントロールできます。
SSLやVertigoとかは、独特のクリーンブースト感とかもあって、コンプレッションは掛かるか掛からないかくらいで、アウトプットレベル等でミキサーのフェーダーの様に音量自体の調整とかにも使ったりしてます。
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