MIXテクニック基本編COMP④即戦力!スレッショルドの見極め方のコツ

適切なスレッショルドを見つければMIXは楽になる!

コンプ編の締めくくりはこれかなと。前回までにアタックとリリース、RATIOの見つけ方は触れたのでスレッショルドの位置の見極め方のコツを書いておきます。この10数年仕事をし続けて中でそれが一番うまいことコントロールできるという経験談なので試す価値はあると思ってます。

目線を変えてみると見えてくるものがあります。

ギタリストが結構上手くないとダイナミクスが大きくついちゃうアコギのアルペジオを例にすると、まずコンプのインプットメーター(もしくはトラックのボリューメーターを)をしっかりと見て、そのトラックの最小と最大の値を確認します。ちなみにボーカルでも同じように値を探れます。

いつも通りこの数字適当ですが、1番小さい音が-12dbで、1番大きい音=この場合ピークとする音量が-6dbだとする。まあ、これだとなかなか下手なので弾けるまでレコーディングさせないですね(苦笑)

さてコンプの設定ってGRの量ばかりみて値を決めている人って以外と多くないですか?

あっ!と思った人はそれだけで、もうこのコツの入り口に立ちました。GRは設定に対する反応の結果が出ているだけで、適切な設定を作るという目的で見るところはそこだけじゃないんです。

この時のスレッショルド値の出し方は、1番小さい音をどれくらい上げればバランス良くなるかを考えて、その音が引っかかるちょいと上か同じくらいにしてみてください。つまり-12db前後を狙います。そこからどれだけピークを押さえたいかを考えると、ピークの-6dbが-9〜10dbくらいになるとそのトラックは上に3〜4dbくらい余裕が出来るから、ratioは1/2〜4にしてみようと数学の様に値が出てきます。

コンプの練習をするときは1176系みたいinput=スレッショルドなモデルより、WAVESのRenaissance Compressorみたいな分かりやすいコンプの基本パラメーターが全部あるデジタル系の方が理解度が高まります。

このときのナチュラルさやサチュレーション具合とかは使うソフトやハードによるので別の話としてください。コンプの種類や欲しい効果に関してはVol.2「プロでも使えるMIXテクニックCOMP編Vol.2:まずは仕組みを理解して正しく使い分ける」をチェックしてみてください。

バランスが良くなったトラックで上に3〜4db増えれば、他のトラックとの兼ね合いもだいぶ自由度が高くなると思います。



COMPを理解するといいことだらけです。

まあアタックの設定でリダクションの値は大きく変わるから、前述のアタックとリリースの見極めがやっぱり重要なので、Vol.3「プロでも使えるMIXテクニックCOMP編Vol.3:コンプの設定は難しくも有り簡単でもある」と合わせながら色々試してみてください。

音楽なのでこの数字や計算が絶対正しい訳では無いんだけど、耳でとかの感覚派(どっちかと言うと、勘だな。)の反対側にこう言う考えとあるって事を言いたいかな〜。どっちかしか知らない人より、どっちも知ってる上で使い分けてる他が守備範囲はやっぱり広い。

その音がちゃんと製品のクオリティで録音されていれば、音を変えないクリーン系のコンプを選ぶ、逆なら味をつけたほうがかっこよくなるならサチュレーション系のコンプを選ぶとか、自分の行動に理由が出来てくると闇雲にプラグインを刺しまくってるトラックにはならない。

一つのトラックにいっぱいEQとコンプが刺さってるトラックって、どっかで自分で作っちゃったマイナスとか過剰なプラスを中和する無駄な行程のプラグインがあるはずなんだよね。じゃあ、その最初の方の無駄な処理をしなきゃ後のプラグイン要らない。だから一個一個のプラグインの理解度高めてを状況に合わせて使いこなすのが必要かなと。CPUも無駄づかいも減るし、高いプラグインを買う必要もDSPも買い足す必要も無くなる。

うん。良いことしかないよね(笑)

ここまでのEQとコンプの流れをすべて鵜呑みにしなくて良いいのですが、読んだことをなんとなく意識するだけでレベルが上がると思います。

次からは実際のトラックの処理というか、ミキサー上のルーティンとその意味について書いて行こうと思います。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
akeru
いつの間にやら業界歴20年越えのクリエイターが表じゃ書けないDAW関連レビューやMixテクニックなど書いていきます。 キャリアの中で身につけた経験を元に誰でも独学でプロレベルでミックスやアレンジができる様になれるよ!って記事を心がけてます。 最初は友人のバンドのお手伝いで始めたレコーディングから、アレンジ力が評価されプロデューサーという仕事に到達。その後、様々なバンドやシンガーさんの作曲からレコーディング、ミックスまでをまとめてうける用になって早20年近く。激しめのバンドものからR&B、HipHopを幅広く受けてます。 以前はアウトボードマニアでしたが、いつの間にやらIn The Boxの極みを目指してます。つまり「ミックスに関してはプラグインでもいけるよ」ってのが最近のテーマです。