耳は感覚、目は現実。2つのアプローチでミックス精度を高めよう!
今更言うまでもないですがミックスやアレンジにおいて視覚での確認ってかなり重要なんですよね。モニタリング環境が良くないと場所、ヘッドフォンやイヤホンとかしか使えない状況などなど。
俺の場合、各トラックをソロにしながらスペアナで健康状態(=周波数特性)を必ず確認します。聞こえてない低音とかは綺麗カットした方がレベルが取れるって話は過去の記事を見直してもらえればと思います。
MIXテクニック基本編EQ編②:メーターを埋める低音のトリートメント
アレンジの問題で似た帯域に音が集まってる場合も、スペアナを見ながらいい意味のギリのラインを耳と目で探して、周波数を整理しています。その後に奥行きを使ってさらに分離させていきます。奥行きに関してはこちらも過去記事をチェックしてみて下さい。
実際のMixの流れ編 Vol.13:上物、コード楽器の住み分け+α
さて、昨今のEQプラグインにはスペアナがついていることが多いですが、それ以降のコンプだったり、まとめたbusで掛けるプラグインでの変化までは見えないので、これ系のプラグインは必ずマスタートラックの最終段にをインサートしてます。
そして、リズム隊のみでどんな感じか?そこにベースを入れるとどうなるか?等を常に全体的に確認していく感じです。
今回の内容に関係したミックスの手法を書いておくと、以前にサラッとだけ触れた「音圧とかをリファレンスに近づけてから破綻する部分を直していく」アプローチに有効です。個人的にはこっちの方式の方が最近の流行りにあってる気もします。(これそのうち別記事で深掘りします。)
激しめのロック、劇伴やダンスミュージックといったお行儀の良さよりもインパクトが大事な場合はこのアプローチが最適だと思ってまして、この時の破綻してる部分を見つけるのがメーター類の出番です。
コンプやマキシマイザーで聞こえて欲しい音量まで稼いだときに、周波数特性がどう変わってるかをスペアナで破綻原因を確認します。具体的にはプラグインなりをon/offした時にブーストされてる帯域があるわけで、それが適量になるようにマイナスを入れてく感じです。
また、VUやRUFSの確認のほか、周波数を縦にした時のステレオに配置されてる音の量感(混み具合)をみるステレオスコープなど、見れば見るほど耳という感覚の世界と違う基準も使うことができます。
特にステレオスコープ(Decibelだとステレオクラウド)は、あまり馴染みがないかもしれませんが、どの帯域のどこのパンに音がどれくらいあるかが見えるので、アレンジの時にも有効です。
このプラグインが過去一おすすめな理由は?
前置きが長くなりましたが、この用途で重宝しているのがProcess AudioのDecibelというプラグインになります。同様のプラグインが多い中ここに辿り着いてもはや変える必要がないと思うくらい定番のアイテムになってます。
Process AudioのDecibelの特徴をあげるとこんな感じ。
- 各メーター類のレイアウトやサイズ変更が自由自在。
- ProcessAudioのオリジナルのメーターも含め必要なものが全部ある。
- 同Wifi環境下だと、iOSやAndoroidに無償で入れられる専用プラグインに画面をレーテンシなしで飛ばせ、さらにそれぞれ違う内容が表示できます。
なによりも③です!
あまり目がいい方ではないので可能な限り大きく表示させたいのですが、そうすると編集画面に大々的に被ってしまいますよね。。既に外部ディスプレイには別のものが出ているので、そこにも被って欲しくないんですよね。メーター類は目線をずらしたら見えるのが理想で、クリックで前に出すとかですら無駄な一手間だと感じちゃいますし。
ここでKindle Fire HD等の出番です。
ここまで来れば勘がいい方は既にお気づきだと思いますが、ここでタイトルのKindle Fire HDです。もちろんiPadでいいのですが、他にも使い道が多かったり純粋にこの用途だけに使うには高いですよね。iPadの価格で2台くらい変えちゃうってのがポイントです。
Kindle Fire HDだと8インチで1万円強、10インチで1万5000円強な感じですし、Amazonの大規模なSALEの時はそれぞれ3000〜5000円くらい安くなったりもします。一つのアプリを立ち上げるだけなのでメモリーも容量も最低限で充分です。
自分用のiPad mini 5に入れてずっと使ってましたが、 以前子供用に買ってもう使われてないKindle Fire HD8でもいいんじゃないって実験したらサクッとできちゃいました(笑)
(まあ、Kindle Fire HDのOSをごにょごにょしてPLAY STOREを入れる必要がありますが、Googleで調べれば誰でも出来るレベルですのでここでは言及しません。後、自己責任でね。)
向かって右にiPad mini5でVUとかラウドネスとかステレオクラウドを表示、向かって左にKindle Fire HD8でスペアナを常に表示させてます。まあ、便利だしかっこいい(笑)
表示領域の性能の問題か、iPadの方が同時に出せるメーターが多いのが注意事項です。
各機器に何を表示させるとかの設定はかなり簡単です。タブレット側の入れたフリーアプリを起動するとIPアドレスが表示されるので、それをDAW側に立ち上げたプラグインに打ち込むと認識されます。認識されると画面が切り替わるので一目瞭然です。
プラグイン側でそれぞれの機器用のtabを作れるので、それぞれのtabに表示したいメーターを表示したいサイズに並べるだけで完了です。ここに関しては以下のメーカーの説明動画みれば大丈夫だと思います!
この内容を書いてるタイミングでは近々AmazonPrimeDayが近いので、Fire HD 10が安くなってたらDecibel用に買い足そうかなと思ってます!
Decibelが通常149ドルでセール時は89ドルくらいです。それにお好みのタブレットの金額で本格的なメーター環境が揃うので、TCのCLARITY MシリーズやHayakumoのVUの導入を検討している方はチェックする価値あると思いますよ〜!
コメントを残す