前回の続きです。
前回がキック、スネア、トップの3つのbusをDrum_busにまとめてってところまでだったので、そっから先に行きます。
手を付けてないのがハイハットとタムとアンビ類だね。
簡単なハイハットから処理をすると、トップの方にほとんど入っているのでそれを補完するイメージ作業すればいいから、PANと簡単なEQ処理でいい。意外と低音があるので150~200hzくらいローカットを入れて、上がうるさいなら4khz周辺をゆるやかにカット。トップとの兼ね合いで音量を決めるだけ。ずっと鳴ってる音の1つだから、Mixでどうこうする前に音色の選定のほうが重要かな。
前半でも軽く書きましたが、最近のトラックものはハイハットが主役にもなってるので、音色とパターンの選定はかなり重要です。昔と違ってSpiceとかある方、いくらでも選べる分選ぶセンスが大事になってきたので、逆に今の方が大変かもしれませんね。
次にタム。タム類で一番気にした方が良いのは音色より、音の長さと余計な低音。特にフロアタムなんてキックの次に大きい口径なので、チューニングとミュートがちゃんと出来ていないよ意図していない音階のベース音がなっているようなのものなんだよね。
つまり個別のトラックでちゃんとGATEを掛けるのがコツ。もしくは、波形編集で鳴ってないところを確実にカットしていくのもあり。必要な波形だけにしておくとトリガーとかもかけやすいしね。ハイハット同様にトップにかなり入ってくるので、PANとアタックの強調をしていくイメージでOK。もちろん、タムもBusにまとめて、ゆるくかつ深くコンプ。低音よりの楽器なので結構な音量感があるのでしっかりとスレッショルド深めでしっかり巣部した方がいい結果になります。
以上の2つは常にトップの音と混ぜたりSOLOにしたりと、トップの音を中心に作ると簡単。
実はアンビ類が曲者かつ重要でして
さて、アンビ類だね。ソフトシンセだとオマケのように付いてて、いじってもボリューム位って人も多いんじゃんいかな。実はこいつらがいろいろ問題が多くて、ソフトシンセ臭さやアマチュア臭さが出やすいのさ。
ソフトシンセのままかオーディオで来たかで処理が変わってくるので、ソフトシンセから行こう。
正直、ソフトシンセのアンビって、かなり嘘くさいのね。BFDもAddictive Drumsも正直使いたくないレベルの音なんですよね。ToontrackのSD3とかは監修が世界のトップエンジニアのGeorge Massenburgってのがポイントかもね。サンプルを作るためではじゃなくて、本当のレコーディングを古くから第一線でやってる人だから本物に極限まで近いアンビ感ですよね。ソフトのシンセはすごいな〜。
で、先述の2つとかのアンビの何が駄目かっていうと
①個別のキットがその空間で鳴ってる音がしない。
②ぺったんこなリバーブ感だけで奥行きがないから、全体の音の薄っぺらい
③普通に録ったら絶対に被る音が入っていない。
④綺麗に整理され過ぎ=掛かりがわかりずらい
⑤PANのセンターがずれてる
とかね。これに更にTrigger系とか使い出すと、トップやアンビ類の音が個別の音が別物になるから嘘くささ全開になる。特にオーディオデータで来たものに対するTriggerのサンプルの音が全く別物になるから余計に一体感でない。
じゃあどうしようってなるんだけど、個別のトラックやDrum_Busの音から自分でつくってしまおう。そうすれば、最終的に揃った音色でのアンビ類をつくれるから一体感と奥行きが出しやすいです。
どのマイクがどういう音を拾ってるかを理解しているとそんなに難しくないと思います。
個別のトラックからプリセンド(ポストではなくプリ必須です)で送った方がリアルだけど、最初はDrum_BusからROOM系のリバーブに送ることで、全てのキットが同じ空間で鳴っていることを再現する方が簡単です。
個人的には昔はUAD-2のOceanwayがずば抜けてたし感動したけど、VallharaDSPのROOMやPLATEを敢えてのインサートで使うのが好きだな。WAVESならManny MarroquinとかRenaissance Reverb(この古めのプラグインの嘘くさい系が実はかなり大味をつけやすいんですよね)があればどうにでもなると思う。ここもリアル系がいい時と嘘くさい系がいいときがあって一概にも言えない。最近はIK MultimediaのSunset Sound Studio Reverbがかなり好きで、いろんなリバーブ系をこれで実験してます。
Seventh Heavenとかもいいんだけど、個人的にはBricasti自体がもう違うんだよね。ドラムのスネアリバーブはT.CのVSS3 NATIVEですぐ洋楽になれちゃうので興味があればお試しあれ。かなり重宝してたPowercoreがOSで弾かれてからこのプラグインのNative化をどれだけ待ったかな〜。出た瞬間に買ったし、よく使ってた某プリセットは同じ音してます。なんかハードっぽい大雑把な濃さがあるんですよね。まあ個人的な好みです。
リバーブって、EQやコンプより流行り廃りがあるのと、同じものを使ってると飽きちゃうんですよね。むしろ最近はオケはWet目、声はDry目とかが結構あるので、ジャンルや時代感を反映するのもこのアンビ類なので、いろんな曲のリバーブ感ってのを意識して聞いてみるのもかなり勉強になると思います。
ここでのリバーブの設定はざっくりで、プリディレイをBPMに合わして20~30msくらい。リバーブの長さは気持ち長め。リバーブの長さは長いと思ったら、その後のEQとかでハイやローを削って存在感を調整しよう。長さでやると楽器が少なくなったタイミングとかで聞こえ方が大きく変わるので、この方式のほうが扱いやすいと思います。
後はDrum_busからモノラルのAUXに送って、そこで適当なリバーブ(立ち上げたままの状態でもOK)をかけて、そのトラックを思っきりコンプで潰して、元の音に混ぜると一気に存在感が増えるってのも実際のレコーディングでよくやるテクニックだね。ちなみに混ぜるときにハイを強めに削って置くと馴染みやすい。
混ぜる(=パラレル)のときは、元のトラックはフルのまま、混ぜるトラックを0からフェーダーを上げてくのが基本ね。
ここまでで基本的なドラムのまとめ方はだいたい書いたんだけど、ここまで理解してから、次回のサチュレーション(真空管、TAPE、コンソール系)やTrigger、トランジェントデザイナー、パラレルコンプを効果的に使っていく方法にふれてみます。
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