ここ数年の新定番になった理由をakeru的考察してみました。
今回はここ3年くらいで一気に名前を聞くことが多くなったIGS Audioをサクッとまとめていきたいと思います。
まずここのメーカーは製品ラインナップがかなり多いので、実際に試して良かったものみだけでいきます。いろんな有名な機材のインスパイア的製品も多いのです。
個人的に感じてるメーカーとしてのキャラクター特徴はこんな感じ。
インスパイア系は特徴を掴んでるがいい意味で薄味です。
この薄味ってのが昨今の流行りに絶妙にマッチしてるのかもしれません。勝手にキャッチフレーズをつけるなら「プラグイン世代の人にハマるアウトボード」って感じです。
どういうことか言うと、クリエイターの種類を製作を始めたタイミングで大きく二分すると、
- ハードがあってソフト(プラグイン)が出てきた世代
- スタートからプラグインが充実しており、ハードに興味を持った世代
ってのがあると思います。(あくまでも個人的な見解です)
①の方々からすると、プラグインは実機に比べて薄く感じ、②の方からすると実機は濃く感じます。言ってることは同じなのですが、①が望む濃さが②の人には濃すぎるってことがあるってのを感じます。
往年のアウトボード達は歴史に名を残してる分、音もキャラも(癖も)しっかりあるわけですが、その個性をまるっとそのままでは必要としてないジャンルもあります。
例えば、オケの少なめなダンスミュージックにロックな歌物ほどのボーカルの存在感が欲しいかな?みたいな感じです。
また別の視点から捉えると、同じものを聞いていても、感じ方が確実に違ってるなと感じることが多々あります。すでに40代の僕は今の20〜30代半ばくらいのクリエイターと聞こえ方が違うことを認識しているので、すり合わせる努力というかコミュニケーションを大事にしています。
どっちが良いとか悪いとかの話では全くなく「純粋に違う」って話ですのでご了承くださいませ。
まとめると、IGS AUDIOはプラグイン世代が使うのちょうど良い塩梅のアウトボードを送り出してきてるブランドといった感じですかね。個性の強さは抑えられてるが、プラグインよりはしっかりアナログマジックが出るし、癖が少ない分レコーディングにも積極的に使えるといった印象です。
akeru的お薦めCOMP2選!
ラックのシリーズもいいのですが、まず最初に気に入ったのが全て500シリーズのモデルなんですよね。これからご紹介する機種が出るまで500シリーズのコンプって正直ラックに勝てる製品があまりなく、省スペース&コストとかモバイル性を求めて少ない選択肢から選んでた印象でした。
TUBECORE 500
TUBECORE500は、コンプの方式としてはVari-muタイプなのですが、いわゆるな感じよりもかなり倍音のハキハキ感というか抜ける存在感が強い印象です。
僕のイメージするVari-mu系の倍音は柔らかくしっとりと落ち着く感じがありますが、TUBECORE500はソリッド!って感じなんですよね。
なので、Vari-mu系というよりは真空管が入ってるFET系みたいなイメージで使っています。
inputを上げる=Thresholdが深くなる&歪むという基本的なFETのイメージを元に、真空管の歪みとThresholdが別れてコントロールできるという守備範囲の広い便利なコンプです。
以上の特性がありながらもしっかりと掛かるので、オケの中で特に際出たせたいトラックにはかなり効果があります。またいわゆるVari-mu系の中でもかなり反応もキビキビしてるのでいろんなタイミングで出番があると思います。
電源入れ始めとしっかり温まった時の差も結構感じるので、小さくてもちゃんとした真空管の機材なんだな感心しました。
彼のToneflakeさんや代理店オリジナルのMODもありまして、真空管とかをよりいい感じにされてるそうです。
実際に比較したことがありますが、音も反応もかなり変わるので、どっちが良いというよりはこの用途ではこっちかなみたいな感じなので、予算があれあば贅沢に2台とも持っていたい感じです。
まさに前述の①と②の人で好みが分かれるところかもしれません。僕は通常版で満足しております。
ONE LA 500
ONE LA 500はいわゆるオプト系になりますが、ここで「あ〜、500シリーズのオプト系なのね」となる人と「お〜、500シリーズでオプト系なのね!」ってなる人がいると思います。
何が言いたいかというと、今となっては色々なオプトコンプの機種が浸透してますが、ほんの数年前までは本家のLA-2AとTubeTechのCL-1B、もしくはそれらのインスパイア系が2〜3個くらいしかなかったんですよね。
なので、スタジオ勤務とか早めに成功したクリエイターさんとじゃないと、ハードのオプトってなかなか出会うことがなく、かなり人がWAVESのCLA-2AやUADみたいなプラグインで初めて触ったんではないかなと思っております。
ONE LA 500はそんなところに突如現れた「ちゃんと使える500シリーズのオプトコンプ」だったんですよね。そんなこともあり周りのプロの方の所有率はかなり多いです。
音の特徴としては、オプト特有のアタックにはあまり掛からず、リリースを滑らかに繋いでいくタイプに、真空管の倍音とオプトが持っている下に伸びるキャラクターです。
ここに冒頭等の「プラグイン世代の人にハマるアウトボード」ってのが出てきます。
LA-2A系のハードもプラグインでも実機に忠実なモデルほど、ゲインリダクションが一定以上行くとあまり好ましくない歪み感というか濁りがでてきまして、ベースなどは味になるのですがクリーン主流な昨今の感じだとピンとこないことも多いです。
ONE LA 500はそこが良い意味で薄味だったので、ボーカルの掛け取りにも積極的に使え、この機種が流行った理由と推測しております。オプト系のプラグインの使い勝手のまま、実機ならではもう1段階上のサウンドを求める人には良いとこどりといった感じですね。
こちらもToneflake&代理店のMODがありますが、TUBECORE500のところで書いた内容と同じ感想なので、予算があればキャラ違いで持ってたいものです。
簡単に書くと、通常版の方が一般的にイメージするオプトに近く、Toneflakeモデルは倍音強さと挙動キビキビさがあるので、歌なら通常版、楽器ならMOD品(もちろん逆も可)なかんそうです。
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