やっぱりみんなNEVEの音が大好き!
まあ、みんな好きよね。マイクプリって言ったらすぐNeve系で探してると思う。それでいいっちゃいいし、そうでもなくもある。
いい理由:わかりやすいくらい音変わる(笑)からマイクプリを買った感でる。
そうでもない理由:ナチュラル系ではないのでやりたいことによっては合わない。
個人的には音量で滲むのが好きではないのと、Vintageの筐体の状態が揃ってないので音質も揃ってない事が多く、逆を追求しているものを選んでしまう。かっこいいし憧れるけどね。で、持ってないわけでもない。
Neve系はとにかくいっぱいあるのでA to Zで行ってみます。
そして、先に言います。「らしい」が多くてすいません。別に歴史を知ったかしたいわけではなくて、選ぶときの読み物の一つになればいいかなって感じなので、ご了承くださいませ。
AMS NEVE
まあ、いわゆる本家よね。本家っていってもAMSに買収のされるころにNeveさんは追い出されてた様な。。
本人の以内本家として、4〜5年前にエグいくらい価格書いて有るまで食わず嫌いというか日本では比較的無視されてたよね。不思議な縁で8801を持ってたけど、あまり出番がなくて手放してます。
で、前述の値下がりが関係してか世の中の人の興味の対象になったのか比較的に話に出るようになったね。 1073SPXってのが現行のチャンネルストリップの代表で、アダプターが気になるけど思った以上にちゃんとしてる。
☆飛び出てる個性はないけど、貫禄というか安定感(存在感)ある音はこのシリーズならでは。大げさなにじみやハイ落ちとか、無駄なプラスマイナスが少ないのに音の腰が安定する感じ。マイクプリの音とDIの音が結構ちがうので、絶対にマイクで使ったほうがいいかも。1073LBって500シリーズの方を2個持ってます。88〜ってのはピンと来なかったです。
Aurora Audio
ここ数年の本命さん(だった)よね。Neveってメーカー名に名前が入ってるから全部Rupert Neve氏の功績になりやすいんだけど、いわゆるじゃない方って感じの天才がオーナーのGEFFさん。トランスの設計とか33609とかもこの人らしい。結構、海外の機材のレビューサイトにご本人さんが登場するのも面白いですね。
まあ、コロナの前くらいから全然日本に入ってこないんだって、、なんとわたくし、日本に代理店がない頃にGTP8>Q2を輸入したこともあり10chも使ってたくらい好きでした。日本人で3〜4番目に連絡きたって言ってくらいの頃です。なんか全部で6〜70万くらいだったけど、今の値段みたらこんなに高いんですね。正直びっくりです。
まあ、ちょっと故障多いよね(苦笑)ノイズなく音出ればいいから騙し騙しつかってました。
今は自分で機材揃えてドラムを録ることもない(レコスタ行くからってことね)のと、ハードシンセからの取り込みもなくなったので、どちらも数年前に手放してます。まあ、勿体ことしたな〜とたまに思います。
☆とにかく他にくらべて滑らか。解像も落ちないのにわかりやすいNEVE感もある。やらしくない重心の低さもGOOD
Avedis Audio Electronics
元BAEの人が独立した感じの会社。Bのとき書くけど、BAEが結構な古き良きなので、それより少しモダン。確かこの人AuroraAudioのGeoffさんのお弟子さんていう記事を見たことある。まあ、ChandlerのWade Goekeとかハリウッド界隈の名がある人はみんなそうらしいけど。
代理店がちょっと難有りで、あまり見かけないし、試したときもこれじゃなきゃ感なかったな。個人的に引っかからなかったのはこれくらいあっさりしちゃいます。
☆オールド系の中ではモダン
BAE Audio(Brent Averill)
これね、昔のと今の差が結構あるのでお気をつけを。最初期から10~15年くらい前まで売ってた高いラックは、本物のNeveの卓から抜き出したパーツをラック化してたので、まあ本物よね。
最近のがだめかといったらそうでもないんだけど、無駄に中低域に濃さがつくので、それに引っ張られて解像度はそこまで良くないと思う。Vintageはここの解像度が落ちないです。
若い頃に持ち歩き用に1073 DMPっての持ってました。今思えば似てるけど、やはり濃さと粘りが強めだから、ギターやベースとかの竿モノには相性がいいと思います。
☆オールド系の中で一番ミドル、ミドルローよりな印象。
昔はベースのレコーディングとハードシンセとりこみに1272が流行ったよね。今はその層をAurora Audioに取られて、そのAuroraも操業停止らしく、後述の日本のWaverider(今はMORG〜〜)がその枠を担ってる気もする。
Black Lion
うんとね。ここに入るかはかなり微妙なんだけど、ここが出してるハーフラックのB173 MKIIっていうNeveタイプがね、嫌いじゃないのです。Neve系の特徴が良い意味で薄くて、クリアでハイファイ目なんだけどNeve感のあるキャラクターって感じ。友人がBlackLionが大好きで、ここのAPI系のB12A MKIIIとAuteur MKIIをいっぱい使ってるんだよね。
この彼は安いけどちゃんと使える製品が好きなタイプで値段じゃない製品をよく見つけてきては教えてくれます(笑)最近の個人的な流行りが濁るよりクリア目なので、俺もちょっと気に入ってます。
☆クリアでハイファイだけど、ちゃんとNeveを感じる
Golden Age Project
もはやコスパ最強Neve系の代名詞よね。ここのPRE-73mk3ってのがね、同じ瞬間に比較しないとちょっと悩むくらいキャラクターは掴んでるんよね。TVの格付け〜〜なんちゃらみたいな感じで、間違える人は一定以上いると思う。ただ正直に書くと全てが大袈裟気味なので、いろいろ使ってきた人や使い分ける人なら気になるかもしれないけど、ApolloのUNISONよりはいいかな〜。
ラインナップの中ではちょっと高めのPREQ-73 PREMIERってのが赤いPRE-73mk3モデルに比べて一気にクォリティあがるので、この差額なら上買っておいた方がずっと使えるかもね。海外でよくソフトシンセのデジタル消臭剤として赤いの方をステレオで使ってて見かけるので、俺も真似して使ってます。
☆値段を考えたらかなりお得なNeveの入口にして使いやすい。
Heritage Audio
ここの評価は難しい。かなりルックスのいい見た目の割に値段もやすく、韓国勢とかのスタジオによく入ってる気がする。難しい理由がラインナップなんだよね。日本で売ってない最上位シリーズはすげー良い。で、まんなかのエリートシリーズがちょっと変なギラギラが気になる。俺からするとちょっと安い音にも取れるけど、韓国勢の導入が多いことをみると、あれくらい上が出るほうがいいのかな。ここ2〜3年流行ってるManlayの黒いマイク(Reference Cardioid)も同じ理由だろうね。それより前ってポップス的なコード楽器いっぱいなトラックだと合わないけど、昨今のすっきりめのトラック系にはあうのかも。
で、難しいってのがこれ。500シリーズの73JR II、これどうやらエリートシリーズの500じゃなく、前述の上のシリーズの500らしく、たしかに全然よかった。Neve系が気になってる人はこれは試す価値あると思う。
先述の1073LBかこれかで悩むなら、個人的好みはこっちかも。AMSよりちょっとだけ派手。そのちょっとが欲しかったんだよね。買い換えるか追加するかの検討中です。
☆想像よりもちゃんとしてる王道+α感。今っぽいサウンドに合うNEVE
MORG Special Equipment (旧WAVE RIDER)
いつの間にか名前変わってるね。まあ中身は同じっぽいけど。機材のレビューとか探してるとよく出てくる西の方の大量に機材を持ってる門垣さんって方の作品らしい。まあ本人のSNSとかを見る限りかなりのNeveマニアさんです。ここ数年で周りに持ってるクリエイター(特にギター出身の人が多いな)が一気に増えたので、そこで作業する時は使ってますが自分では買ってないです。
音がうんぬんよりもスイッチいっぱいある機材が苦手でして。。。俺みたいな大雑把な人間には使いこなせないのです。1モデルで最大2キャラくらいで、それ以外が欲しい時は別のモデル!ってくらいの方が作った設定を維持できて楽。特に重なる時期はいちいち覚えてらんないってのもある。
音は独特よね。これがうまいとこ突いてるのかそうじゃないかはその人のジャンル次第じゃないかな。81って方は独特のギラつきが個人的な好みにちょっと合わないけど、72って方はAuroraAudioのGTQ2みたいな感じでよかったな。
☆本物志向のNEVEの良さを残しながらいろんな機能をつけて、現代で使いやすい様にしてる感じ。凝り性の人にはとことん付き合ってくれそうな感じです。
Rupert Neve Design
これ前回のアウトボード早見表「マイクプリ編①」:まずはここから覚えてみよう!にまるっと書いてしまったので、そこから転載します。
なんか白いのと、Shelford Channelとかの紺というか黒っぽい方あるでしょ?
出始めは白い方しかなくて、Neveさんの特徴というか、その時代にあるパーツでその時代にあう最高の音を目指すっていう本人が一番OLD Neveを意識してないかも的な思想があるらしく(昔のRNDのオフィシャルにインタビューありました)、まずはどんな音でもちゃんと対応できるっていうところから、歪みは後から追加するsilkスイッチってのもつけてるって感じのシリーズです。今も若干ラインナップに残ってる変なかまぼこ型の筐体か専用シャーシとかに入れられるでかい500シリーズみたい&アダプターってのと、THE!って音からだいぶ離れててしばらく食わず嫌いされてたよね(笑)5024が出たり500シリーズになってからようやく広まった印象があります。出始めの頃はのPortico Channel(白のチャンネルストリップ)を2台持ち歩いてました。ほんとになんでもちゃんと録れるので重宝しました。
商業スタジオとかに4chの5024がよくある理由も納得だなという感想です。地味っちゃ地味なので、いろんなものをぐるっと一周するとこのプリの懐の深さがわかる気もする。本当に老若男女、楽器問わずちゃんと使える音になります。500シリーズの511が安いから食わず嫌いになりそうだけど、かなりの万能型です。
でもって、Neveって名前はオールドのイメージがあまりにも強くて、Neveって名乗るならそっち系も出してほしいな〜世界的なニーズから出てきたのが黒い方のシリーズ。みんな大好きShelford Channelとかの方です。まあ、OLDとはまた別もんだけど音の方向性は同じで、歪みにくかったり今のならではの機能がアドオンされてて使いやすい。結局、最近は黒い方が人気なのかな。やっぱりハードはわかりやすく音が変わってくれる方が楽しいもんね。
5211って機種はShelford Channelのマイクプリ版的に見られやすいけど、別物でトランスが一個少ない分、音も早いし輪郭たってるから、個人的にはこっちの方が好きで導入しました。基本メロディー的なのを弾いてるフレーズの録音ときに使ってます。なんかShelfordのプリだけ2chも限定で出てたけど、そもそも論で興味湧かなかったな〜。Shelford的な感じが欲しい時はBURLのDかD1使うことが多いです。なんかこっちの方がおんなじトランスの厚みを感じるけどクリア差を感じる。
白が正確で万能、黒が滑らかで色気があるって感覚で試してみると傾向の違いがわかりやすいかな。別にどっちが上位機種とかないです。
☆白は「フルレンジ」「クリーン」「なんかちょっとだけ丸みを感じる」
☆黒は白から滲ませて行った感じ。だから所謂THE!よりもクリアの部分が残ってる感じがする。
Vintech Audio
BAEの対局のキャラにいるのがVintechですね。273ってモデルをキャリアの最初の方に頑張って買ったので思い入れが強いです。しばらくラインナップが変わってないので今の人だと古い方になっちゃうのかな。
ブランドの狙い自体が世の中に出回ってるVintage Neveが新品だったらこんな音ですって感じだったと思う。つまりオールド特有のハイ落ちがあまりないためにハッキリクッキリしてて、オケに埋もれない強い音で録れます。逆にこの感じあんまりないんだよね。世の中的に今っぽいレンジと解像度があるオールド系ってのが主流なのですが、このロック&HIP HOPだぜ!ってのが大好きです。ツインギターにシンセもどーん的なジャンルの人は試す価値ありですね。回路が増える分そうなるのか、電力消費の問題なのかわかりませんがチャンネルが増えるほどX73→273→473 の感じで丸みを感じます。
一つ言えるのが、電源が本当に邪魔。。4台分の供給できるのがウリなんだけどね
☆輪郭、音圧、楽しい感最高!
Wunder Audio
日本に代理店できるまでずっとワンダーオーディオだと思ってたけど、バンダーオーディオらしい。まあ、ヴァで発音しとけばどっちにも取れるな(笑)
Led Zeppelinのメンバーのために作られたっていうカスタムコンソールを引き継いだ人が、自分のNeveの卓に収まるためになんちゃらかんちゃらっていう経緯らしい。詳しくは代理店のHPででもご確認くださいませ。
だから厳密にはNeve系ではないっちゃないけどNeve系と思ってもいいかも。前述のVintechの音をよりクリアかつ高級にした様なキャラクターでちょっと大人。
PEQ2Rってのをしばらく借りてたことがあって、必要な音の周りに余計な音がないって言うのか、解像度が高いです。THE!な低音感とか求めてる人にはピンとこないかもね。RNDの白の上位互換的なイメージでいいかと思います。
☆大人の輪郭と安定度。ちょっと不思議な立ち位置。
比較視聴動画等を見るときには注意点も。
うん。いっぱいありすぎだ。。なんか漏れてそうだけど思い出したら追加しておきます。ここに書いてないのは試してないってのと書くまでもないってのが両方かな。
以下、全く偉そうなつもりではないので誤解なく。
このシリーズでは音声データは基本アップしません。
プレイヤーやテイク、マイクの位置、日時とか使う楽器の種類が違ったらもう別の話で、その瞬間のその音に相性が良かったものが他よりよく聞こえるだけだと思ってます。
またステレオものアウトボードもミックスの最後にインサートすればいいわけではなく、作業の途中からそれに当てるようにミックスをしていくものでもあると思ってます。
これをすごく簡単にいうと、シングルコイルのギターとハムのギターで同じアンプを弾いたら音が全然違うでしょ?
で、そこに更にピックアップの種類やピックの当たり方、ピックの種類、プレイヤーの技量とかいくらで不確定要素が多い訳で、そんな状況でエフェクターとか選べって状況に近いです。
テストデータが2mixかステムとかバラデータをマスターでインサートするのもだいぶ違いますし、ハードウェアはソロで聴いても半分くらいしか意味がなく、オケの中で使ってみて初めて本当の効果がわかると思います。
個人の感想とは大分違うミスリードされてる感がある内容もよくあるので、こればっかりは気になる何個かをどっかで実際に試したほうがいいかな思います。
はじめまして。
楽しく拝見させていただきました。
golden age projectがラインナップに並んでいるので、同じくNEVEコピーをしているwarm audioのwa-73eqはどのような所感でしょうか?
始めまして、こんにちは! コメントありがとうございます。今年は忙しすぎて全然書けてないですが、こういったお題があると隙間でも書けるので、皆様お気軽にどうぞ〜。
ということで、本題。
Q:warm audioのwa-73eqはどのような所感でしょうか?
A:今回、後輩が持ってたので借りてきました!で、結果からいうと俺的には正直無しです(苦笑) もちろん、安いIF内蔵のプリよりは悪くはないのですが、値段相応でもなかったのでこんな感じです。
端的にいうと、見た目以外似てない。プリの音カリカリ、EQカリカリ、トランスの音しない。なので、クリアといえばクリアなのですが、Neve系にある元の音を少し太くさせるという所にニーズを求めるとちょっと違うかなと思いました。この機会にgolden age projectのグレイの上位モデルを改めて聞きましたが、やっぱり悪くないですね〜(笑)上には上がありますが、これの音で文句言われるとなると別のところに問題がある気がします。
warm audioはマイクやギターエフェクターが値段の割にいい線行ってるので、物によるのかなといった感じです。
ご返答ありがとうございます!
しかもわざわざ足を伸ばしての検証、頭が下がります!
実は私も同じ考えでした。
GAPの音がジェネリックとして良く思えるのに少し値のはるWARMが個人的に良くないので、自分の感覚が間違っている気がしてたので安心しました。
また、heritage audioのチャンネルストリップbritstripがNEVE系現行最強というレビューを某SHで見かけました。
もし使ったことがあるのなら是非ご意見を聞きたいと思います。
「heritage audioのチャンネルストリップbritstripがNEVE系現行最強」かどうかはなんともですね。
ここのレビューでも書いている通り各々が狙ってることが違うので、そこと自分の欲しいポイントが合えばと言った感じでしょうか?
Vintechほど硬すぎず、AMSほど落ち着きすぎず、Auroraほど滑らかにならない感じなので、いろいろ使ったことがある人が丁度いい感じだと思います。こんだけ値上げばっかの中でもまだそこまで高くないですし。この手のチャンネルストリップにありがちなコンプではなく、かなり本格的に使えるコンプなのもポイント高いです。まあ、自分が現時点で何にも持ってない感じならBritstripがあれば、なんとでもなるなと言った感じです!
とても参考になりました。
ありがとうございます。