アウトボード早見表「マイクプリ編①」:まずはここから覚えてみよう!

いいミックスは素材の良さありき。つまり録り音にこだわろう!

旧ブログ(https://note.com/akeru)の時から、基本的にDAW内でのミックスのことを書いてきてるけど、結論は録り音が一番重要ってのは一貫してます。

その理由のわかりやすい例えは料理なのかな。いろんな調味料(プラグインとか)もってても、素材が悪ければ美味しさの上限は低いし、良けれいいほど調味料との組合わせが楽しくなると思います。後は楽。何よりもこれ。アナログ領域は無茶が効くし、手で触れるのでグリグリしやすく欲しいポイントがすぐに見つけられる。

現行品(一部外せない廃盤もいれます)しばりですが、A~Z で全部の感想をざっくり書いていこうかな〜と。ブランドの歴史(薄め)や特徴も含めて書いてしまえば、皆さんの購入前の資料のひとつにでもなるかなと。お店のレビューより実践で試してきたし、下手なレコーディングスタジオより所有してたこともあるので、かなり大袈裟に言えば100個はかけるかも(笑)

今回は一覧表スタートの前に大雑把なマイクプリの選び方の前提から書いていこうかなと。一番最初に書いてきますが、Vintage信仰は一切なく適切な用途に合う機材が大好きです。機材を選ぶ基準はこの人の声にはこれが合うなとか、この曲の中でこの楽器をこういう音で録りたいなど決めてます。なので、完全な沼と自己満の世界でどれかを持ってれば完璧はない世界だったりもして、ギターエフェクターの様に永遠と楽しんでます。

さて、まずはここがスタート。NEVE、SSL、APIの御三家(勝手に認定)です。

機種によっての違いは別途書くので、まずこの3ブランドの特徴を感じてるままに書きます。なぜこの3つからというと、歴史も含めて有名かつ特徴がわかりやすいので、これ以外のブランドを話すときの基準にしやすいからです。

Neve(ニーブ)の特徴

大御所中の大御所。前述の通りざっくりいきます。長い歴史や経年劣化の良し悪しがあるので、どの時代の音をモデルにしてるかがブランドによって全然キャラクターが違います。

有名どころのAurora AudioBAE AudioVintech Audioとかは全部方向が違ってたりするので、あくまでもNEVE系と言われる製品の有名な特徴を書くとすると、高域がなだらか収まり、中低域に厚みと太さがつきます。

この特性がコンデンサーマイクやシンバルなどの金物、アンプのマイク録りとかの時に気になってしまう高域を自然にキレイに抑えてくれるマジックがあり、それを海外でシルキーと表現になってると思います。EQの処理では再現が難しい効果なので、録音時のニーズが高く、スタジオなりその現場にあるならVintageNeveを最初に選ばれることが多いです。

もちろん歪ませてなんぼのとこもあるんだけど、実はinput gainが低いときは結構フラット目だったりもします。

Neve系って、その名の通りNeveさんっていう一人の天才の足跡でもあるんだけど、この方いっぱいブランド変わってるのでちょっとややこしい。

Neve→Fousrite→AMEK→Rupert Neve Designがおっきな動きはだっけかな。(より詳しい内容はそういうの書いてる人のブログなりを参照くださいませ。)俺はAMEKが大好きで集めてた時期もありますが、現在は修理不可の製品なので中古で見つけたときはお気をつけ下さいませ。

前半の3つは創業者だけどすべて追い出されてたような。。ジョブスもそうだけど、天才VS企業経営ってのはなかなか難しいもんよね。で、俗に言うNeve系ってのは最初のとこね。最後のRupert Neve Designは雑に言うとNeve系でもありじゃなくもあります。

Rupert Neve Designって、なんか白いのと紺というか黒っぽい方ありまして、最初は白い方しかありませんでした。Neveさんの理念が「その時代にあるパーツでその時代にあう最高の音を目指す」っていう感じで、本人が一番OLD Neveを意識してないそうです。(昔のRNDのオフィシャルのインタビューに書いてありました。)

「フルレンジ」「クリーン」「なんかちょっとだけ丸みを感じる」っていうまずはどんな音でもちゃんと対応できるっていうところから、歪みは後から追加するsilkスイッチってのもつけてるって感じのシリーズ。

商業スタジオとかに4chの5024がよくある理由も納得だなという感想です。地味っちゃ地味なので、いろんなものをぐるっと一周するとこのプリの懐の深さがわかる時が来ると思います。

でもって、Neveって名前はOLD Neveのイメージがあまりにも強くて、Neveって名乗るならそっち系も出してほしいな〜から出てきたのが、みんな大好きShelford channelとか5211とか黒い方のシリーズです。

OLD Neveとはまた別もんだけど音の方向性は似てますが、歪んでてもどこかクリアだったり倍音を足すお家芸のSilkスイッチなどの今ならではの機能がアドオンされてて使いやすくなってます。

結局、最近は黒い方が人気なのかな。やっぱりハードはわかりやすく音が変わってくれる方が楽しいもんね。白が正確で万能、黒が滑らかで色気があるって感覚で試してみると傾向の違いがわかりやすいかな。別にどっちが上位機種とかないです。

出始めのことのPortico Channel(白のチャンネルストリップ)を2台持ち歩いてました。ほんとになんでもちゃんと録れるので重宝したな。

ちなみにVintageも大枚はたいて、手にしたことあるのですが入力レベルで滲む感じがあまり好きではなく現在は手放してます。場所場所にあるVintage様たちのでコンディションも揃ってることないので、それも原因でした。

Neve系の現行品はいっぱいあるので、個人的な感想をこちらにまとめてみました。

アウトボード早見表「マイクプリ編②」:現行のNeve系の特徴をひとまとめ!



Solid State Logic(ソリッドステートロジックの特徴)

クリーン系の代名詞って感じだけどそうでもない気もする。もちろんクリーンなんだけど独特のバリッとしたアクティブ感を感じるんだよね。ミドルの解像度がすごく上がるけど余計色付けが少ないのが特徴で、ハードウェアで色付けが少ないっては逆に難しかったりするので世界的に愛されてる理由も理解できます。

ちなみに昨今のAlpha channelとかVHDとXlogicって頃のは別もんね。この頃のは名前だけSSLで「SSLってこんな感じでしょ?」ってメーカー側の姿勢に本気を感じなかったです。

個人的には最近のSixChannelの方が正直SSL直径を感じます。お値段もかなり手頃なので、初めてだったり、複数揃えたい時には結構おすすめです。この手のハードウェア機材を買うときは値段ではなく自分の耳で判断することを強くお薦めします。

EQやCOMPもThe 卓に搭載されてました!って感じの話が早い手っ取り早い整理整頓が得意なブランドです。

前述のNeveの感じに対しての逆の様で真逆ではない話で、MarshallとFenderみたいなわかりやすい立ち位置って感じですかね。ちなみにUniversal AudioのApolloシリーズで使えるのUNISONのSSLは昔のムッチャ高かったときのXlogicの音がするのでかなり好きです。

APl(エーピーアイ)の特徴

一番わかりやすい唯一無二の特徴があって、API系ってあんまりないんだけど、御三家だなっていう人気ブランドですね。

その特徴ってのが、元気(笑)

もう少し真面目に書くと、ギラギラしてとかじゃなくて、明るく抜ける音かつ、その帯域が目立つからか音が少し早く聴こるので他の楽器に埋もれない輪郭が欲しいときに選びます。ギターやドラムに使いたくなるというか、よく使われてる理由はそこかなと思います。Neveに比べて腰高って言われがちだけど「だから何?」って感じで、Neveの粘る感じとAPIのハキハキは用途によるよね。

後半の二つがNeveに比べて文章量が少ないのはそれだけNeveさんっていう天才の功績がすごいってことね。SSLとAPIの創設者の名前なんてほとんどの人知らないだろうね。

まとめ

ということで今回のまとめに入りますが、プリとかブランドを選ぶ時にこの辺を覚えてると、Neve系好きなんだけどAPIとの間くらいのがあるといいな〜とか、クリーン系がいいけどSSLじゃないかも的な判断基準になると思うので、この3ブランドは実際に試聴して感想を持ってるといいと思います。



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いつの間にやら業界歴20年越えのクリエイターが表じゃ書けないDAW関連レビューやMixテクニックなど書いていきます。 キャリアの中で身につけた経験を元に誰でも独学でプロレベルでミックスやアレンジができる様になれるよ!って記事を心がけてます。 最初は友人のバンドのお手伝いで始めたレコーディングから、アレンジ力が評価されプロデューサーという仕事に到達。その後、様々なバンドやシンガーさんの作曲からレコーディング、ミックスまでをまとめてうける用になって早20年近く。激しめのバンドものからR&B、HipHopを幅広く受けてます。 以前はアウトボードマニアでしたが、いつの間にやらIn The Boxの極みを目指してます。つまり「ミックスに関してはプラグインでもいけるよ」ってのが最近のテーマです。