実際のMixの流れ編 Vol.8:Bass編③シンべ関連とまとめ

いつの間にか上手いこと見つけてくれる人も増えて嬉しいもんですね。Twitterってどうやって増やすんだろうな〜みたいなところも楽しんでます。後、前にも書きましたが質問コメントやなんなら2mixとか送ってくれたらここをいじってみると良くなるかもなんてのもやってみたいですね。あくまで、隙間時間での対応になるので迅速ではないですが、いろんな人から刺激が欲しいこの頃です。

さて本題。シンベって何?ってとこから。

ということで本題。ベース編の最後はシンべだね。アコベはね、特定のフレーズで膨らんだりするとこをマルチバンドで狙えばいいから、それよりは元音のレコーディングの方の話になります。

さてシンべって何って話ところから始まるので今回に分けた訳ですが「シンセでつくったベースの音域にあるもの」つまりシンセで低音を弾いてるだけだから、これと言った定義がなく種類が多すぎるし、シンセは生楽器じゃないので、倍音の帯域を下手に触ると、音色自体ががっつり変わることが多く下手なEQは逆効果になります。

昨今、1音色のみでベースを担うってのも珍しい。オシレーターを2つ以上使ってれば1音色とみなさない感じで話を進めます。

所詮シンセだからかなりの領域を簡単に埋めてしまう(カブりまくる)ので、オケの中で聴こえない部分はバッサリ切りまくる必要がある。そこで大事なのが、アレンジの時点でのシンべの作り込みが重要です。昨今のソフトシンセのカッコい音をかっこいままオケに混ぜてくのはなかなかハードルが高いですよね?

例えば、こんな感じの組み合わせで作ってみると思った以上の音のバリエーションを作れます。経験上、一個の音をああだこうだ処理するよりもこっちのほうが自由ですね。

①センターで低音を支える音=所謂ベースの役割

②センターの中高域の音=エッジや音色を色付けるような役割

③サイドで低音の彩りと受信を支える音=空間を埋める役割

①の音は②にエッジを任せる事で低音のみに集中する。KICKとの兼ね合いはサイドチェーン等で逃げながらの低音をしっかりと支配しよう。だから思い切ってハイカットしてOKです。

②はその逆だから、印象がかわらない所まで大胆にローカットしセンターを前回のエレベと同じ意識で帯域を埋めてみてください。ちなみに①のセンター低音に空間系を掛けるとボヤけるけど、②の中域より上のみの音は空間系を上手く使うと今っぽいので、やはり切り分けて作り込むメリットがこういう所にもで出て来ます。

③の音はジャンルによるかな〜。トラック数が少ない場合は、この低音があった方がオケが寂しくならない。ちなみにサイドの音だからセンターの音は①と②に任せる様な処理が必要だと思います。

もちろんジャンルによるけど、昨今のベースが主流のダンスミュージックなら、最低でもこれくらい。それぞれを個別にうまく処理をすることで上から下まで揃っている強いベースラインが作れます。後、展開によって、②とか③、もしくは両方を違う音色にするとかも良くある手法です。EDM系って意外と同じフレーズをどんどん違う音で鳴らしてることかなり多いですよね。シンセだけじゃなく、生楽器とかもまぜて繰り返すことで、そのモチーフを強いものしてるんだと思います。

最近だとトラップとかのサブローってのもあるけど、これはアレンジの話かな。どちらかというよリリースの切れ味と音価の長さの方が問題ですね。低音の長さというかどこで音が止まるかが分かりずらいモニター環境はこの手のジャンルを作る際に少々不利なので、モニター環境の改善を視野に入れていいかと思います。高いスピーカーを買うよりも、安くてもシリーズにサブウーファーがあるならそれを足した環境の方が色々見えてくると思います。

こんな感じでいろいろ発展するのもありです。

ソフトシンセの中でも音が太めな製品で作った音だったとしても、シンべはオーディオにしてから処理した方がもっと凶暴(図太く)しやすいってのもコツかもしれません。ソフトシンセのままMixしない方が断然いいので、オーディオ化を強くお薦めします。

元が1トラックしか無ければ、それを複製してそれぞれをさっきのイメージで処理するとか、MelodyneとかでMIDIを抽出して足りない要素を別のシンセで足してあげるとか、丸っと1オクターブ下までピッチを下げた音をまぜるともよくやる方法です。

序盤で書いた通り、どの音もシンセなのでEQでの帯域整理にプラスして役割整理がポイントです。その後はいつも通りBUSにまとめて、軽いコンプ。この時のコンプはアタックもリリースも遅めかつ真空管系が浮きやすいシンセ感をなじませてくれます。

なんでもそうだけど、軽く歪ませるほうが抜けも良くなるから、②の音だけプリセンドで歪ませる専用のトラックを作ってBUSに混ぜてみるのも面白いですね。

仕上げは、他のトラックとの兼ね合いをこのBUSトラックに対するマルチバンドコンプで整えて行けばいいと思います。個人的にはWAVESのMV2とかも簡単だし良い結果になりやすい。MV2って普通のコンプとちょっと違ってて、小さい音だけ持ち上げたりできるので、ベース全般はもちろんボーカルも含めて隠れた名プラグインですね。

まとめると、低音の支配がオケの安定感と印象を決めるからレベル感を一定に保つことが何よりも重要

目立たせながらも、他の音より一歩退くことが重要だと思います。ということでベース編終わりです。



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akeru
いつの間にやら業界歴20年越えのクリエイターが表じゃ書けないDAW関連レビューやMixテクニックなど書いていきます。 キャリアの中で身につけた経験を元に誰でも独学でプロレベルでミックスやアレンジができる様になれるよ!って記事を心がけてます。 最初は友人のバンドのお手伝いで始めたレコーディングから、アレンジ力が評価されプロデューサーという仕事に到達。その後、様々なバンドやシンガーさんの作曲からレコーディング、ミックスまでをまとめてうける用になって早20年近く。激しめのバンドものからR&B、HipHopを幅広く受けてます。 以前はアウトボードマニアでしたが、いつの間にやらIn The Boxの極みを目指してます。つまり「ミックスに関してはプラグインでもいけるよ」ってのが最近のテーマです。